利用者がいつまでも心穏やかに、笑顔で過ごせるように「心の健康」を守るお手伝いを一緒に考えていきましょう。心身ともに健康でいることは、健康寿命を延ばす上でとても大切です。特に、加齢とともに体や心が少しずつ弱ってしまう「フレイル」の状態では、身体的な衰えだけでなく、心の健康にも影響が出やすいもの。心の健康を守ることは、フレイル予防、ひいては健康寿命の延伸に繋がります。では、利用者の心の健康を守るために、私たち介護職ができることは何でしょうか。例えば、利用者が「自分の気持ちを話せる場」を作ること。日々の何気ない会話の中で、じっくりと耳を傾け、気持ちを受け止めてあげましょう。「最近、どうされていますか?」「何かお困りのことはありませんか?」と優しく声をかけるだけでも、利用者の心は軽くなるかもしれません。
また、「人とのつながり」を大切にすることも重要です。利用者同士が交流できる場を作ったり、地域の方々との交流の機会を設けたり、ボランティアの方々に来てもらうのも良いでしょう。誰かと話したり、一緒に何かをしたりする中で、喜びや楽しみを感じ、孤独感を解消することができます。さらに、利用者の「役割」を作ることも効果的です。例えば、食事の準備を手伝ってもらう、他の利用者に折り紙を教える、施設内の飾り付けを手伝ってもらうなど、利用者が「自分が役に立っている」と感じられる機会を作ることで、自己肯定感を高め、生きがいを持つことに繋がります。
もちろん、快適な生活環境を整えることも心の健康に大きく影響します。清潔で過ごしやすい空間を維持するのはもちろんのこと、季節感を取り入れた飾り付けをしたりするのも良いでしょう。
介護職は、利用者の心身の健康を守る上で重要な役割を担っています。日々のケアの中で、これらの工夫を少しずつ実践することで、利用者が心穏やかに、笑顔で過ごせる時間を増やし、健康寿命を延ばすことに繋げていきましょう。