いつまでも自分の足で歩き、笑顔で過ごせるように利用者の「健康寿命」を伸ばすお手伝いを一緒に考えていきましょう。健康寿命とは、ただ長生きするだけでなく、元気に自分の力で生活できる期間のことです。その健康寿命を延ばすために、特に介護職が意識したいのが「フレイル」予防。フレイルとは、加齢とともに体や心が少しずつ弱ってしまう状態のこと。適切な運動を取り入れることで、フレイルの進行を遅らせることができるんです。
利用者の運動をサポートする上で大切なのは、まず何よりも、利用者が無理なく、楽しく運動を続けられるようにすることです。「やらされている」ではなく「やりたい」と思えることが大切なので、利用者の好きなこと、得意なことを活かして、散歩、園芸、ゲーム、簡単な体操など、楽しみながら体を動かせる方法を見つけていきましょう。
また、運動の種類や強度、時間を選ぶ際には、持病や体力、認知機能の状態など、利用者の状態に合わせることも忘れずに。椅子に座ったままできる体操や、車椅子の方向けのストレッチなども効果的です。そして、少しでも「辛い」「疲れた」様子を感じたら、すぐに中止することも重要です。無理に時間を割いて運動するだけでなく、日常生活の中に運動を取り入れることも良い方法でしょう。「トイレまで歩いて行ってみる」「食事の準備を手伝ってもらう」など、できることを少しずつ増やしていくことで健康の維持にも繋がります。
さらに、体重や歩行速度、握力などを定期的に測定し、運動の効果を目に見える形で示すことで、モチベーションの維持に繋がる場合もあります。「○○さんが運動を始めてから、階段の上り下りがスムーズになったみたいですね!」と、変化を褒めることも、運動を継続する上で大切なポイントです。運動を習慣化することで、利用者がより長く、元気に過ごせるようサポートしていきましょう。より効果的で安全な運動プログラムを作成するために、理学療法士や作業療法士などの専門家と連携することも検討してみてください。